人間ドック
35歳になった時、職場の健康診断に加えて年に1回の人間ドックを受けることができるようになりました。人間ドックの日は外部に検査に行くけど仕事扱いになるので、まぁ受けとくかという軽い気持ちで受け始めました。婦人科検診はオプションでしたが、これもまたついでに受けとこうかな…と、子宮頸がん検査、マンモグラフィ、触診は毎年受けていました。
そのマンモグラフィが毎年嫌で嫌で。
胸が小さくない方なのもあるのか、大げさじゃなく毎回「痛い痛い」とぎゃーぎゃー言って泣いていました。技師さん、苦笑い。採血も、バリウムも全然平気だけど、マンモだけは憂鬱でした。
今年は2月末に人間ドックを受け、その日に健診センターの医師から簡単な結果は教えてもらいました。少しお酒を控えて運動するように言われましたが、血液検査を含め概ね問題ないという結果でした。
3月下旬に結果が郵送で送られてきましたが、忙しさにかまけて開封しないままに約1か月が経過。4月半ばに開封すると、「要精密検査」という文字が飛び込んできました。乳がんの欄でそこにはFADと書いてありました。
えっ、乳がん要精検!?FADって何!?とネット検索してみると、FADとは「局所性非対称陰影」のことで、色々なサイトを見てみても「だいたい問題ないこと多いけど、一応検査してもらってね」的なことが書いてありました。
私は以前、緑内障の疑いとで要精検となり慌てて検査に行ったら問題なかったということがあったので、「あー要精検ってまた何でもないやつなんじゃないのー?また時間できたら行くか」、とそのままにしていました。結局4月末に職場近くの乳腺クリニックに電話をし、最短の5月初めに予約できました。乳腺外科のクリニックがこんなに混んでいることを初めて知りました。
乳がんについてのイメージ
がん。
それは私にとってはあまり遠い存在ではありませんでした。
私は看護師をしていて、以前血液腫瘍科病棟で働いていたこともあったので、治療として外科的手術、抗がん剤、放射線治療があることを知っていました。そして、
その治療のつらさや精神的なつらさがどんなものであるかを。
ただ、その病棟では血液のがんと、特殊な固形がんの患者さんのみだったので、乳がんの医療的な情報については国家試験のために勉強した遠い浅い素人のような記憶しかなかったです。覚えていたワードは、「しこり」「乳頭からの分泌物」「外側上方が好発部位」。そんな素人同然のものでした。
そんなものよりも、小林麻央さんの印象が強かったです。彼女が亡くなった時、おこがましくも私が代わりにがんになればよかったのにと思いました。あんなに若くて、美しくて、優しくて、家族からも世間からも必要とされている人がなぜ、と。アラフォー独身の私より、麻央さんの命の方が永らえるべき命だと。
誤解を恐れずに言いますが、今でも本当にそう思っています。命に優劣はないけど、麻央さんは本当にかなわない存在です。どうしたらあんな人になれるんだろう?